発達障害の子の脳は、
コンピューターのようなものだと教えてもらったことがあります。
特に自閉傾向の方は「そうだな~」と思うことで、
対処方法がすごく明確になるな、と感じています。
たとえば「言葉」。
多かれ少なかれ、単語が少し違うだけで
別の単語として取り扱う特性を持っています。
例をあげると
「女の子」
「女子」
「お嬢さん」
など、どれも「女性」を表す言葉ですが、完全に一致はしていません。
もし、これを「同じような意味合いの単語」だと理解して欲しいならば、
それを丁寧に伝える必要があります。
「そのうち分かるだろう」「普通なら分かるはずだ!!」は通用しません。
だから手帳を持っているわけです。
もちろん手帳の有無に関係なくその傾向のある子もいます。
私が高校生のとき、
自宅に外国人留学生が1年間ホームステイしていました。
その時にも、日本語ではほんの少しの単語の違いだけれど
「あ、分からないんだな・・・」という経験が何度かありました。
コンピューターや外国人留学生が相手だと
「それぐらい考えてちょうだい!!分かるでしょ??」
と、怒らないのでは無いでしょうか?
自分で考えて動くようになって欲しいならば
考える手順や周辺情報も含めてインプットする必要があります。
1度インプットすればきちんと動くわけではありません。
Excelに関数を入力して、自動計算させる事にも似ていると思います。
1文字でも違えばエラーです。
こちらが修正するしかありません。
でも、一度きちんとインプットされれば
その後は素晴らしく高性能な能力を発揮してくれます。
計算もめっちゃ早いです!!
コンピューター並みの優れた脳を持っていますがきちんと人間です。
感情もあります。
これ、本当に大切です!!
脳の特性上「自分で考えろ、想像しろ」
ということはそもそも難しいですが
それを責めたり怒ったりしたら・・・。
「何をしても、何を話しても怒られる」とインプットされます。
その恐怖がトラウマとなり、フラッシュバックを起こし、
動けない、話せない、自分はダメなんだ・・・というループにはまります。
うちの子がまさしくそのような状態でした。
かなりひどい2次障害を起こしていました。
今でも完全回復とは言えず
時々フラッシュバックを起こします。
うちの子みたいには絶対になって欲しくないのです!!
とても優れた才能を持っているのに、
それを「一般論」でつぶされるなんて、
こんなに悲しい事はありません。
脳の特性上、無理な事があるから手帳を持っているのに
それが見た目では分かりません。
さらに、本などで整理された状態から得た情報の記憶力はバツグンなので
「それが出来るならば、他も出来るはずだ」
という思い込みが生じて、ますます誤解を招きます。
でも、得意を活かせば素晴らしい能力を発揮してくれます。
過去のデータや傾向などから、物事を分析する能力は各段に優れています。
もちろん、その場で言った事はすぐに忘れちゃいますが
コンピューター相手に話してると思えばめっちゃ楽しいです(笑)
私も慣れるまでには相当時間かかりました。
それこそ自分自身のトライ&エラーの繰り返しです。
こちらも人間なので「面倒だ~!!!」と思う事も多々あります。
「相手はコンピューター、相手はコンピューター」と
呪文のように唱え続けました(笑)
諦めずに続けていると、自分自身にも、子どもにも学びと成長があります。
子ども達から笑顔がこぼれたり、表現が増えたりした瞬間に出会えると
その喜びや感動が本当に大きくて
「もっと笑顔を増やしたい」と思えます。
私達は、これらの経験を通して特別支援の子ども達から
「ありのままで良い。そのままでみんなに幸せを与えてくれる」
という事を学ばせてもらっています。
「どうすれば伝わるのだろう」と試行錯誤するからこそ
指示方法も手順が明確になり、
言葉のあいまいさが減っていきます。
誰にとっても、より良いコミュニケーションを育む環境となり得るはずです。
頭ごなしに同調圧力や威圧的な言動をかけるのではなく、
みんなが少しずつ優しさを持ち寄り、歩み寄ることで
お互いを思いやり、その人の個性を尊重し
笑顔のあふれるコミュニケーションや、
それを大切にする環境が育まれます。
「働き方改革」が叫ばれる時代です。
働く事そのものに対する考え方も、
昔とはずいぶん変わって来たと思います。
特別支援の子ども達は、それを身をもって教えてくれます。
これこそが、お金で学ぶさんすうが
「笑いあり、笑いあり、笑ってばっかり」であったり
「とにかくめちゃめちゃ楽しい!!」
と思って頂けるゆえんだと思います。
あ、ちゃんと仕事してます。めっちゃ真剣に!!(笑)
でも深刻にはなりません。
最初は手間がめっちゃかかります!!(笑)
それを実行されて、本人さんの特性を活かして
笑顔ある職場環境を作りあげられた会社もあります。
ご家庭でも、職場でも、学校でも・・・。
笑顔あふれる社会が創られることを願っています。
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