支援学校(高等部)の先生からお聞きしたお話です。
かなり極端ですが、似たような事例に先生方も頭を悩ませているようです。
前回の子どもの大人買いにも似た傾向があると思います。
この卒業生さんは
「お金≒おこづかい≒自分の好きなものを買うお金」
との認識しか持っておらず、「手にしたお金は全部使える!」
と何の疑いを持たなかったようです。
唯一「良かったな~」と思う事は
「社会人楽しい!!お金たくさん使える!!」と、本人さんがとても喜んでいた事です(笑)
仕事もそれなりに楽しんでいる様子なので、
ストレスで買い物をしているわけではありません。
知らなかっただけ、ですね(笑)
とても不思議なのですが、
なぜかお金に関しては「自然に管理できるようになる」との無意識の思い込みがあります。
無意識なので、その必要性にも気付きません。
かくいう私も、昔はそうでした。
1人暮らしをして「こんなにもお金がかかるのか」と、びっくりした経験があります。
具体的な手段を学ばなければ、
社会人になろうが、学生であろうが、きちんとお金を使えるようにはならないです。
「具体的な手段」で思いつくのはこづかい帳、家計簿なのですが、論点が少しズレてます。
学生時代のおこづかいは1日1000円、週に5000円という形で
その都度必要なお金をもらって使う事が多いです。
また、その使い道はお弁当代やお菓子代、交通費など
学校と自宅との往復の行動範囲内のみで使うお金に限られている場合が多く
他に必要なものは保護者が買っている場合がほとんどです。
本人さんにとっては、1日1000円でも、初任給10万円でも同じお金です。
「自由に使えるお金」だと認識したのでしょう。
「使い切る必要がある」と思った可能性もあります。
仮に学生時代からきちんとこづかい帳をつけていたとしても
そのままの流れで初任給10万円の使い道を記録するに過ぎないのではないかと思います。
将来、どのような出来事が起こる可能性があり、それにはいつ、いくらお金が必要なのか。
その準備をするためにはいくら貯金すれば良いのか
生活するには何にいくら必要なのかという知識が必要です。
学生時代のおこづかいと、
社会に出てから手にするお金には、金額にも使い方にもかなりの開きがあります。
社会に出ると視野が広がり
お金がたくさんあれば、できる事が増えることを体験で学びます。
だからこそ、より厳しくお子さんを管理しようとするほど、違う課題が生じます。
隠れて借金をしたり、カードを作ったりする事例もあります。
もっと早く知っていれば何とかなったのに
という事が、実際に起こっています。
子どもの時からお金の教育を始めるメリットの1つに
「失敗しても金額が小さくて済む」というのがあります。
お金は道具の1つに過ぎません。
「失敗したな~」という、小さなケガを繰り返しながら
少しずつ上手になる、道具の特性もそのままです。
学生時代から少しずつお金を使う範囲を広げてあげることで
社会人としてのお金の使い方と、好きなものを買うためのおこづかいを区別した
お金の管理ができるようになるのではないでしょうか。
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