「渡したおこづかい、その日に全部使ってしまったんです!!」
お子さんのおこづかいの使い方について、わりとよくあるご相談です。
事例を1つご紹介します。
「1ヶ月分だからね」と言って渡したおこづかい1000円で、
10円のガム100個入りを1箱全部買っちゃった!!という小学生のお子さん (今回は税込みで考えて下さい)。
自分も食べましたが、近所のお友達に「あげる~」と配りまくったそうです。
渡したら即使いきっちゃうパターンです。
このような出来事が起こってしまった後の場合、あなたならどう対処しますか?
事前に「無駄遣いしたらダメよ」、「大切に使ってね」、「計画的に使ってね」と忠告もしておきました。
それにもかかわらず、こんな使い方されたら
思わず感情的に
「何でそんなムダづかいしたの~!!!」
と、怒っちゃうバターンが多いのでは?と思います。
しかも、子どもが黙っていると
子どもよりも経験値が高く、次々と言葉が出て来る大人は、
言葉をたたみかけてきます。
「何で怒られていると思う?」
「あなたのためを思って言ってるのよ」
「どうしたら良いと思う?」
「聞いてるのっ(怒)??」
そして、「怒られている」と察知したお子さんは
お子さん自身の経験値から、このパターンに対処できる手段である
「ごめんなさい」、「気を付けます」を言って終わらせようとするでしょう。
だって、コワイもん💦💦
次々に質問を投げかけられて、混乱するか
あるいは、恐怖のあまり、声も出ないか・・・💦
などの理由で黙ったままのこともあるかもしれません。
そうなると、「なぜ黙ってるの!!」と、次の質問が飛んでくる💦
わー!!!大混乱!!!(お子さんが)
つまり・・・。
ハッキリ言って、怒ることは意味が無いです。
「注意している」と思われるかもしれませんが、
注意なのか、怒られてるのかなんて違いの理解もなかなかハードルが高いです。
お子さんには「怒られている」という恐怖体験だけが記憶に残って、
なぜ怒られているか分からない場合がほとんど💦
さて、あなたならどうしますか?
・・・・・・・・
今回は「すでに起こってしまった」という前提ですので、事前にできることは除外します。
結論から言えば「これが正解」というものは無いと思います。
しかし私達ならば、次のおこづかいを渡す日まで、そのまま何も言わず放置します。
「月1回、週1回」など、決めていた前提ならばその日まで放置します。
もしもお子さんが「おこづかいちょうだい」と言って来ても
「次のおこづかい日まで待ってね」とにっこり笑顔で✨
感情にまかせて怒ってしまうと、お金を使った経験と恐怖が結びついてしまい
お金を使うことが怖くなってしまう、という事もあります。
この部分こそ、一番注意をはらいたい部分なんです!!
特に特別支援の子ども達は、
トラウマとして残りやすい、フラッシュバックも起こりやすい子が多いので注意が必要です💦
毎月おこづかいをもらっているのに、このような買い方をするのであれば
「お菓子で友達の気を引こうとしている」
とも考えられます。
初めておこづかいを渡したのであれば
「使い方が分からなかった」という可能性もあります。
大切にしてあげたいのは「その時のお子さんの気持ち」です。
お金を使ってお菓子をたくさん買って食べていたとき、そしてお友達にも配っていたとき。
その瞬間、お子さんはきっと楽しかったのではないだろうかと思うのです。
それがたとえその一瞬だけだったとしても。
後から「またやってしまった~」と後悔したとしても。
お金を全部お菓子で使いきってしまったことと、それをお友達に配ってしまったことは
「そのような出来事が起こった」だけに過ぎません。
その出来事を「ムダづかい」と、悪い感情とともに受け止めてしまったならば、ダメな事でしょう。
その出来事を「お友達と一緒にお菓子を食べれて楽しかった」と、楽しい感情とともに受け止めたならばそうでしょう。
結局は、「出来事をどのように捉えて、どのような感情と結びついて記憶したのか」
が、後々のお金の使い方にも影響を及ぼします。
落ち着いた頃か、次のおこづかいを渡す前のタイミングで
「前のおこづかい、何に使ったか教えてくれる?」と聞きます。
障害の特性などによりますが、
お子さんが記憶可能な期間が良いと思います。
もっと言えば、子どもよりも、大人が冷静かつおだやかに話せる状態の時かもしれません。
そして
「どうだった?楽しかった?楽しく無かった?」と、気持ちを聞きます。
障害の特性によっては、気持ちの選択肢があった方が良いかな?と思います。
おこづかいの使い方について、
事前にルールを決めたり、使い方を教えたりする事も大切です。
しかし、いつでもそう大人の思い通りにはいきません。
だから困るんです。大人が(笑)
結局、お金でも何でもそうですが
くり返し経験し、失敗を重ねながら、少しずつ出来るようになるんです。
だって私達、文字の読み書きや計算も、一発で覚えられなかったですよね?
人生は突発だらけ!!(笑)
事前に教えれば何でも出来るわけでは無いです~。
なが~い目で、かつ優しいまなざしで見守り続けましょう。
手出し、口出ししてたら成長の芽を摘んでしまいます。
お金を使うのが悪いこと、と思ってしまうと
そこからお金の学習が進まなくなっちゃいます。
お金は、生きて行くために必要な「道具」です。
本を読んだり、説明したり、一度知識を与えただけで
きちんと使えるというわけではありません。
お金と感情は、とても強く結びついています。
大切なのはお金を嫌いにならないことです。
だって、キライになっちゃったら大切になんてできないです~。
だからこそ、たくさんの「楽しい体験」とともに
お金を使う経験を積んで欲しいと願っています。
楽しいことだからこそ、どんどん学びの意欲が向上するはずです!!
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