お金は、使い方にも稼ぎ方にもその人の個性があります。
誕生日や何かの記念日などに送るプレゼントに「体験」が増えてきました。
最近見た記事では「ボーッとする」というサービスが存在することを知りました。
他にも、以前だったら考えられないような面白いサービス、
思いつかなかったお金の使い方が誕生していると思います。
同時に、そのサービスでお金を稼いでいる人がいるわけです。
よく言われる事ですが、10年前までは
「ユーチューバー」なんて職業は存在しませんでした。
私は自分自身の中学時代の進路相談のことをよく思い出します。
プリントを配られ、
自分の長所、短所、得意な教科、苦手な教科をもとに自己分析をし
「将来なりたい職業」を定めて行きます。
それをもとに、学校を決めて行く流れです。
とても良く覚えています。
中学生だったとき短所はいくらでも出て来るけれど、
長所が全く出てこない自分にガッカリしたことを。
もちろんなりたい職業も出て来ず、自分は何の取り得も無い人間だと落ち込み
それでも「何とかプリントを埋めなければ」と
無理やり職業を書いたら
「まだまだ子どもですね」と、先生と親に三者面談で笑われたことを。
余談ですが、書いた職業は「お菓子屋さん」です(笑)
今ならば分かります。
なぜ「なりたい職業」が出てこなかったのか。
「誰もやっていないこと、世の中に存在しないこと」を
見つけ出したり創り出すことが私が好きなことで、やりたい事です。
昔から、冒険&探検好きで、
人の行かないような場所ばかり行き、
人のやらない事ばかりやろうとする子でしたから(笑)
だから今、特定非営利活動という道を選び、社会の課題を見つけ、
それを解決させるための活動をしています。
既存の職業から「なりたい職業」が出てこないのも無理はありません。
今、我が子の進路相談やキャリア教育に関しても
同じようなプリントが配られ
「自分の中学時代と変わらないな」と思います。
「ライフシフト」では
3つの無形資産がこれからの時代を生きるために重要だと言われています。
(1)生産性資産(主に仕事に役立つスキルや情報)
(2)活力資産(健康、良好な家族、友人関係)
(3)変身資産(変化に応じて自分を変えて行く力)
「働く」ということに関しては
(1)の仕事に役立つスキルや情報(生産性資産)に主に焦点が当たり、
その片隅に(2)の健康、良好な家族、友人関係(活力資産)が置かれていると思います。
言葉では「健康第一」とか「家族、友人が大切」と言いますが
実際には健康を害するほどの無茶な働き方をしたり、
家族よりも仕事が優先されたり・・・というのはよくあることです。
それを何とかしようと「ワークライフバランス」
という言葉も誕生したのでしょう。
現状では(1)のスキルや情報に偏りがちだと思います。
学歴、資格、成績、テストの点数など
分かりやすい指標が存在しているからだと思います。
もちろん、他の事も必要なのは承知の上ですが
後回しにされている感があります。
私の娘は学校でも友達の間でも
「いつもニコニコ笑っている」という印象を与えていて、
周囲のみんなも笑顔に出来る子です。
本人はそれが普通と思っているようで気付きません。
むしろ、その要素こそが大事なのでは?とすら思うのですが
進路相談ではそれが吹き飛んでいます。
得意なこと、好きなことは「美術、音楽、体育」だけど
それって別に仕事に役立つわけじゃないしな・・・。
好きは好きだけど、めっちゃ優れているわけじゃないし
長所って別に無い・・・。という考え方になっています。
悲しい・・・。
もったいない!!
そのままで十分魅力的なのに。
どうすれば、それを本人が理解してくれるのだろうと思います。
1つのヒントを与えてくれるのが、特別支援の子ども達だと思います。
既存の「知識、スキルを職業に活かす」という視点だけでは、
正直何かと不利な事が多くなりますが
世の中に優しさを提供してくれたり、
みんなにとって分かりやすく、役立つ視点を提供してくれています。
理事の仲田いわく、
たとえば既存製品のモニターやテスターになってもらうことで
それまで気付かなかったユーザー側の不便さを拾い上げ、改良し、
誰にも使いやすく、分かりやすいより良い製品をつくるできる。
支援を要する人が職場にいることで、
「どうすれば理解できるか」をみんなで考えることができて
業務の流れにあいまいさが減り、間違いが減り、ゆとりが出来る。
みんなが優しくなり、人のつながりが強くなる。
コロナ自粛や業務のオンライン化で
心の豊かさ、思いやり、自分らしさなど
見えない事を大切さに関する課題があらわになったのではないかと思います。
雇用に対するそもそもの考え方、在り方が変わり
そういう価値を提供できることも、支援学校の役割ではないかと思います。
これらは、ネットで手に入る情報ではなく
リアルなコミュニケーションの中でしか育むことのできない「豊かさ」ではないでしょうか。
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