私(住山)が、FPとしてお金で学ぶさんすうの活動をスタートさせて間もないころ、こんなことを言われました。
「お金(現金)なんて使えなくても別に良いですよね?カードで何でも買えるじゃないですか?」
何も言い返せませんでした。障害のある子ども達の教育にたずさわっていて「本当にその通りだ・・・」と思ったからです。
これまで関わって来た生徒さんの中には、言葉は話せず、体も自力では動かせない重度の身体障害のある生徒もいました。でも、きちんと意思があるんです。イヤそうだったり、笑ってくれたり、こちらからの呼びかけに反応してくれます。
色々勉強をして、この子達は体が動かせないだけで、知的には問題がない可能性もあると知りました。意思はあるのに体の動きには制限がある。ならばこの子達には断然、現金よりもカードの方が良いだろうと思いました。
生活費のやりくりでは、全体の視覚化や把握が大切です。
よくカードはお金を使った感覚が無いと言われますが、これを分かりにくくする構造だからだと思います。
成人された本人さんで、「1回の買い物は1万円以内」と決めればそのルールは守れるけれど、色々なお店でそれぞれ1万円以内ずつ買い物をしたら、2万円、3万円と増えて行くことが理解できない、というお話をお聞きしました。
一番簡単なのは現金化です。
でもカード払いの方が生活上の支障が少ない方はどう管理すれば良いのか。私は自分で統一基準を作って自分で守るルールを自分に課すのが良いと思います。具体的には「購入した日」をベースにするのが一番分かりやすいと思います。
だって、現金なら必ず「購入した日」に手元からお金が無くなるのですから。
カードも購入した日にお金を支払うことが確定したはずです。購入額は未来からの借金です。払わなければならないことはその時点で確定です。
今は、無料でも家計簿アプリとかありますよね?
銀行からの自動引落も、クレジットカードも、登録すれば自動的に家計簿に記録してくれます。ホントに便利です。自動化ももちろんなんですが、クレジットカード払いのものも購入日をベースにカレンダーに記録してくれるので一ヶ月の収支が分かりやすいです。
余談かもしれませんが・・・。
お金で学ぶさんすうでは、現金をトレーニングするアプリ「コインステップ」と、その付属教材を販売しています。
「カード払いと矛盾してるやーん!!!」と言われそうなので、先に理由をお伝えさせていただくと・・・。
現時点の日本は、現金の信頼性が高いことに加えて、現金そのものが道具としても使える上に、数の概念を学ぶ教材としても優れていると考えているからです。
これからの時代、キャッシュレスにだからこそ学校でお金(現金)を教えることの価値が高まって来ると思っています。現金は防災時には強いです。手前味噌ながらお金で学ぶさんすうの現金トレーニングの教材は、教材としても使用できて、お店での買い物の補助具としてお店でも使えるところが良い所だと思っています。
ご興味があればご覧ください!!
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